第2章 なぜ「ケツポケット」なのか?
●本がそばにある環境
最後に本当によくされる質問に答えておきたいと思います。
まず、「なぜケツポケットなのか?」これは前章でも説明しましたように、本がそばにある状況の最たる形がポケットだというのが大前提としてあります。いつでもどこにでも持ち歩いてもらうために、「本を持つ」のではなく「本を身につける」。ポケットならこれが実現できます。
しかし、ズボンの前ポケットは文庫を入れるのには小さい。ジャケットのポケットはサイズ的には問題ないものの、ジャケットは年中着るものではない。このように考えると「ケツポケット」が一番妥当だと思われます。幸い、ケツポケットは使われていないことも多いし、片方使っていたとしても、もう片方は空いている。これは、もってこいなんじゃないかと思います。
「ケツポケットに文庫なんか入れて違和感ないの?」という質問もよくされますが、正直まったくないわけではありません。少なくとも最初のうちは。しかし、ケツポケットに財布や携帯電話を入れている人が結構いることを考えれば、そんなに気にするようなことでもないと思われます。実際、僕は慣れました。(あと、よくされるのが「座るときはどうするの?」という質問ですが、座るときは取り出して本を読むんです。もちろん。)
あとは、単純に見た目の問題です。単純にケツポケットがカッコイイ。(と、僕は思っています。)一種のレイヤードとして、ファッション性も高い。(と、僕は思っています。)それに加えて、背中を向けた状態で自分は「本が好きだ」という主張が出来るのも一つの利点かもしれません。面と向かって誇示するよりは気が楽だと思います。
●女の子はどうするのか?
本音をいうと、実はこの問題が一番悩ましいです…。女の子はスカートを履いたりすることが多いうえに、パンツのポケットも若干小さかったりします。もし「ケツポケットに文庫を」が流行れば、それに対応したサイズも出てくるかもしれませんが…
とにかく、「本がそばにある状況」を作り出すことが出来、「読書習慣を顕在化」することが出来れば効果は同じです。これまでいろいろと考えてきましたが、結局名案が出ていないのが正直なところです。女の子ならバッグを持つから、そこから本が見えるようにするとか…これについては今後も引き続き考えていきたいと思います。
↑これは女の子の写真。若干ポケットが小さい。
↑これも女の子の写真です。もう少しポッケが大きいと余裕があるんですが…。
2010.12.04 ワタナベヤマト
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