本日(と言っても後2時間ちょっとですが・・・)8月15日は終戦記念日ですね。皆さんは今日一日どのようにお過ごしになったでしょうか。僕は自動車免許取得のため教習所にいました。
教習所の待合室にはテレビがあって常にon状態なのですが、やっぱり「公認」の施設だからでしょうか、NHKなんですよねチャンネルが。野球ファンである僕としてはこの時期非常にありがたいんですが、春と夏以外だったらちょっと退屈かも…。
まあ、そんなわけで今日も聞くともなしにテレビの音を聞いていたのですが、8月15日は正午位になるとNHKが追悼式典の模様を放送しますよね。それから甲子園の放送に戻って甲子園でサイレンが鳴る。観客も選手も皆黙とうしている。
それを見て「ああ、今日終戦記念日だったなぁ」と実感するわけです。もちろん終戦記念日を忘れてはいませんよ。昨日も家族が終戦記念日に合わせたドラマを見ていましたし。一年中常に心の中に意識がないこともない。8月15日はやっぱり特別な日なわけです、いつでも。
その感が毎年この時期になると強められて高まり、それからまた落ち着いてつーっと静かに続いてゆく。小学生から中学生くらいまで毎年この時期に実家に帰省していて、昼飯時に放送を聞いて、そのあとで祖父母の戦争体験を聞くというお決まりのコースを体験していたからでしょうか、私にはこの日が「今と昔が反転する日」のような気がするのです(あくまでも、個人的な感想です)。歴史が反転してじかに迫ってくるような…ちょうどお盆の時期にあたっているということもあるのかもしれませんね。
僕は昔歴史に非常に興味があったので祖父母の戦争体験談を聞くのが毎年とても楽しみでした。今でも帰省するたびに昔の話をしてもらいますが、やはり8月15日は特別な「何か」を感じます。
戦争については今でも様々な議論があります。批判論も擁護論もある。しかしいずれにしろ日本だけで300万、全世界で6000万人もの方が亡くなったという歴史的事実だけは価値判断の領域を超えて、圧倒的な重みをもって存在しているわけです。
毎年、8月15日だけでもこのことを思い出すのは必要なのではないのでしょうか?
「過去に目を閉ざす者は、結局のところ現在にも盲目になります。」とは元ドイツ大統領ヴァイツゼッカーの有名な言です。戦争にどのような立場をとろうとも、どのような意図であってもひとまず歴史上の事実として振り返り、何か考えてみる、感じてみる。そこから何か新しい発見があるかもしれません。
不謹慎な発言になりますがひょっとすると振り返る上で最悪重々しく考えすぎる必要はないのかもしれません。もちろんこれは死者たちに対して失礼なことであり、僕自身は死者のことを抜きで考えてはいけないと思います。
しかし、最も望ましくない態度というのは先ほども述べたように「過去に目を閉ざす」ことではないでしょうか。
「そんなのあったっけ?関係ないじゃん」「暗い話は嫌だ」といった風にして忘れてしまうことは、一番何にもならない。ですから態度はどうあれ、まずは振り返ってみるという姿勢が必要なのでは?
そんなこんなで今回のオススメ本の紹介です。
太平洋戦争を描いた小説は多々ありますが私のオススメは梅崎春生の『桜島』です。
梅崎春生なんて知らない人のほうが多いんじゃないか(ぼくも高校の国語便覧で初めて知りました)、と思うような結構古い人ですが、この小説は新潮文庫から今も出ています。
戦争ものなので決して明るくはありません。暗いです。それでも梶井基次郎(これまた古いですね)の影響下にある心理描写とのちに直木賞を受賞する筆者の「ユーモア(明るい、とかではないですが)」を含んだ巧みな構成と筆致が合わさって一度読みだすと読者を離しません。引き込まれます。単なる「戦争文学」の域に収まらない普遍性を持った小説だと僕は思います。
興味のある方はぜひ読んでみてください!歴史って面白いと思いますよ。
それでは長文失礼しました。
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