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えんのした旧ブログ
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一橋大学内で古本のリユースを中心とした事業を行っているサークルです。現在図書館内で古本を無償で提供しています。
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新年あけましておめでとうございます。今年もえんのしたをよろしくおねがいします。

 新年の挨拶って大変だ。毎回会う人会う人に「あけおめ」「あけましておめでとう」と言わなきゃならないからだ。もっと面白い、他の言い方ってあったりするのか。ともすると会話がマンネリしそうで、ちょっと面倒なイベントじゃないか。とかいちいち考えてる人、他にもいないのか。


 ただ、良いこともある。対人を得意としない人間にとって、これは一種の試練のようなものであると同時に、「自分は世界の一部である」=「ちゃんと人間である」と感じられる瞬間でもあるからだ。あけましておめでとう。あけましておめでとう。今年もみんなと同時に年を越せました。カウントダウンではしゃげない冷めた自分の心持ちが少し悔しいけれど、俺もちゃんとみんなと同じ暦の上を生きてるぞ。俺はここにいるぞ!!!いるぞ!!!


 などとくだらないことを年の瀬に考えていたら、サークル内の一年生同士で年賀状を出し合おうという話になった。凄く面白い。絶対に、読むやつがほほ笑んだり楽しめる文言を書くぞと意気込んで年賀状を買い込んだ。形から入るのが好きなミーハーでもあるので、筆ペンも一緒に購入した。恐らく、筆ペンと15枚の年賀状をレジに持っていくときの俺の目は希望で輝いていたはずだ。


 寮に帰ってすぐ机に向かう。と、ここである不安が頭をよぎる。字が、きたない。そういえばそうだった。俺の字はキタナイんだった。いや、きたないというのともちょっと違って(決して間違いではないけど)なんか「変」なのだ。落ち着きをなくしたような形状で、自分の弱さが表れているような気がする。受験生だったころ、論述の添削を先生にしてもらうと、必ずと言っていいほど字は丁寧に書くようにと注意されたことを思い出す。


 とりあえず、送ってもらった人が嫌な思いをしないようにと、何度か筆ペンで文字を書く練習を試みる。あいうえお、かきくけこ、ラーメン、あけましておめでとう、今年もよろしく、ガルパンはいいぞ、圧倒的成長、エトセトラエトセトラ、、、、、難しい。難しいな。なんか書くこともうまく思いつかないし、自分の字のきたなさが純粋なメッセージの伝達を阻害しそうだ。例えば、「あなたが好きです」とぐちゃぐちゃの字で書いてあるラブレターがあったら、受け取る側は困惑するはずだ。俺の年賀状でもそういうこと、起こるんじゃないか。


 結局葛藤に葛藤を重ね、年賀状を書ききった。相変わらず書かれた字は「変」でキタナイままだ。満足感と不安とが2対8ぐらいでないまぜになってたけれど、そんなことはいいやと諦め、どうぞ読んでくれと思いながら投函しにゆく。俺もちゃんと年賀状を出せるのだということに奇妙な嬉しさを覚えながら。片手に10数枚の年賀状を持ちながらポストに向かう足取りは軽く、空は驚くほどに青かった。


なんとなく今年はよい事あるごとし元日の朝晴れて風無し(石川啄木『悲しき玩具』)



【追記】テストも近くなって大変ですが、たまにえんのした訪れてほしいですね。冬装飾に取り掛かろうかと思うので、期待して待っていてください。それではまた。


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